バーバリーとバーバリーロンドンの違いを徹底解説 - タグ・歴史・価格まで
Emma Payne
Updated on July 17, 2026
バーバリーとバーバリーロンドンの違いを徹底解説 - タグ・歴史・価格まで
フリマアプリで「バーバリー」を検索すると、必ずといっていいほど「バーバリーロンドン」という表記のアイテムが混在している。タグの色が違う、値段がまちまち、でも見た目はほぼ同じ。そんな経験をした人は少なくないはずだ。実は、この二つの名前の背後には、英国ブランドの本家ラインと日本独自のライセンス市場が複雑に絡み合った歴史がある。知らずに購入すると、サイズ感や品質で後悔することもある。だからこそ、しっかり理解しておく価値がある。
そもそもバーバリーとはどんなブランドか
バーバリーの歴史は1856年、トーマス・バーバリーがイングランドのベイジングストークにブランドを創設したことに始まる。当初は機能的なアウターウェアに特化していたが、耐久性と防水性に優れた革新的な新素材「ギャバジン」を独自開発し、軍人や冒険家のための機能的な衣服を製造した。このコートは第一次世界大戦時に英国軍将校に採用されたことで一気に知名度が高まり、今日のトレンチコートの原型となった。
1901年にはブランドを象徴するエクエストリアンナイト(騎士)ロゴが誕生している。その後、グローバルに展開するにつれ、多くの製品が「バーバリーズ・オブ・ロンドン」あるいは単に「バーバリーズ」として市場に出回るようになった。しかし20世紀末に、ブランドはロゴを統一・現代化し、語尾の「S」を外して「BURBERRY」という一語に整理した。つまり古いアイテムに「Burberrys」と書いてあっても偽物ではなく、むしろヴィンテージの証だ。
バーバリーロンドンとは何か - 二つの顔を持つライン
「バーバリーロンドン」は2種類の異なる意味合いで使われてきた。一つは英国本社が展開するライン、もう一つは日本の企業が企画したライセンス品だ。この二重構造こそが、多くの消費者を混乱させてきた最大の原因である。
英国バーバリー本社が展開していた「バーバリーロンドン」ラインについていえば、バーバリーが1960年代から2016年まで展開していたラインがバーバリーロンドンで、バーバリーの中でも本家大元のラインとされている。バーバリーロンドンはバーバリーの高級既製服ラインであり、トレンチコートやチェック柄スカーフといったブランドの定番アイテムを担っていた。クラシカルで格調高いデザインが中心で、ビジネスシーンからフォーマルな場面まで幅広く対応するコレクションだった。
日本だけの話 - 三陽商会とライセンス契約の全貌
日本におけるバーバリーの歴史は、1970年に三陽商会がバーバリーと契約を結び、日本版バーバリーロンドンがスタートしたことで始まる。90年代後半になると、日本オリジナルのラインとして、ブラックレーベルやブルーレーベルが創設された。この二つは特に若年層向けのデザインとリーズナブルな価格設定が特徴で、百貨店を中心に爆発的な人気を集めた。
英国のバーバリー社(バーバリーインターナショナル)からライセンスを借りて展開していた日本特有のブランドが、ブラックレーベル、ブルーレーベル、ゴルフの3ブランドだ。この3ブランドは日本だけでの販売だった。バーバリーロンドンに関しては少し複雑で、英国企画のインポート品と三陽商会が日本向けに製造したライセンス品の両方が「バーバリーロンドン」という名前で流通していた。
しかしこのライセンス体制は永続しなかった。バーバリーは2014年に、三陽商会とのライセンス契約を終了した。ライセンス終了の理由は、ハイブランドであるバーバリーのイメージを守るためだとされている。バーバリーブルーレーベルは、三陽商会とバーバリーのライセンス契約が切れた2015年6月に終了した。この出来事は当時のファッション業界に大きな衝撃を与え、長年バーバリーを愛用してきた日本の消費者の間で惜しむ声が多く上がった。
タグの色で即判別 - 英国製と日本製の見分け方
中古市場でバーバリーロンドンを探すとき、最も確実な判断基準がタグの色だ。タグデザインがベージュ色であればバーバリー社が製造・展開する商品、紺色であればライセンス商品を展開していた三陽商会の商品だ。一見シンプルに聞こえるが、この一点を知っているだけで購入時のミスを大幅に減らせる。
イギリス製造品はサイズ感が大きめでタグはベージュ、三陽商会製造品はサイズ感が小さめ(日本人にはちょうどよい)でタグがネイビーだ。素材や品質については若干の違いで英国製造品のほうが勝っているとされるが、日本人に合った作りとサイズ感を重視するのであれば三陽商会製造品がおすすめだ。
また、ロゴの表記も時代ごとに変化している。バーバリーのロゴは1999年まで「Burberry's(バーバリーズ)」という表記だったが、2000年以降は「BURBERRY(バーバリー)」という表記に変更された。「Burberry's」表記のアイテムが偽物というわけではない。年代物のアイテムを探しているコレクターにとっては、むしろこの旧ロゴが価値の指標になるくらいだ。
バーバリーが展開していた主要ラインの全体像
バーバリーロンドンとバーバリーの違いを正確に理解するには、当時存在した全ラインを把握しておく必要がある。代表的なブランドには、バーバリープローサム、バーバリーロンドン、バーバリーブリット、バーバリーブラックレーベル、バーバリーブルーレーベル、バーバリーゴルフ、バーバリーチルドレンの7つがある。これらは大きく「英国バーバリー社展開のライン」と「日本の三陽商会が展開したライセンスライン」に分けられる。
各ラインの立ち位置を簡単に整理すると次のようになる。
| ライン名 | 展開元 | 特徴 |
|---|---|---|
| バーバリーロンドン(英国) | 英国バーバリー社 | 本家の王道ライン。トレンチコート・スーツ中心。タグはベージュ。 |
| バーバリーロンドン(日本) | 三陽商会(ライセンス) | 日本人体型向けサイズ感。タグはネイビー。2015年に終了。 |
| バーバリープローサム | 英国バーバリー社 | 最高級コレクションライン。希少性高く価格も最上位。 |
| バーバリーブリット | 英国バーバリー社 | カジュアル路線。若年層向け。2016年に統合。 |
| バーバリーブラックレーベル | 三陽商会(ライセンス) | 日本独自。20〜40代男性向け都会的デザイン。 |
| バーバリーブルーレーベル | 三陽商会(ライセンス) | 日本独自。10〜30代女性に大人気。2015年に終了。 |
2016年の大転換 - すべてが「バーバリー」に統一された
バーバリーは2016年にブランドの方針を大きく転換させ、バーバリーロンドン・プローサム・ブリットを統合してBURBERRY(バーバリー)という一つのブランドに集約した。これは単なるリブランディングではなく、ラグジュアリーブランドとしての地位を明確にし、ライセンス商品による市場の希薄化を防ぐための戦略的決断だった。
この統合によってロゴもシンプルに一新された。現在展開されているアイテムは英国バーバリー本社が一元管理するグローバルラグジュアリーブランドとして、世界共通のクオリティと世界観を保っている。現在、公式に展開されているアイテムは、チーフ・クリエイティブ・オフィサーであるダニエル・リーが手がけた最新デザインが反映されている。かつての複数ライン体制とは異なり、今のバーバリーはより研ぎ澄まされた一本の線上に立っている。
中古市場での選び方 - 何を基準に判断するか
フリマアプリや古着店でバーバリーロンドンのアイテムを探すなら、まずタグの色を確認することが第一歩だ。ベージュタグであれば英国バーバリー社製のインポート品、ネイビータグであれば三陽商会が展開した日本向けライセンス品と判断できる。どちらが優れているかは一概にはいえず、用途と体型によって判断が変わってくる。
素材感や機能性を重視するなら英国のバーバリーロンドン、日本人の体型にフィットする形状やリーズナブルなアイテムを求めるなら日本版がおすすめだ。また、ラベルの刺繍品質が粗い場合や、複数のサブラインが一つのラベルに記載されている場合は偽物の可能性が高い。正規品かどうかを見極める際は、縫製の精度やチェック柄のパターンマッチングも確認しておきたい。
価格帯に関しては、英国バーバリーロンドンのアイテムのほうが全般的に高く、三陽商会のライセンス品は比較的手頃な価格で入手できる傾向がある。ただし状態や希少性によって中古相場は大きく変動するため、複数のプラットフォームで相場を確認するのが賢明だ。
バーバリーズ表記のアイテムは偽物か?
中古を探していると「Burberrys」あるいは「Burberrys of London」と書かれたアイテムに出くわすことがある。これを見て「偽物では?」と疑う人が多いが、まったくの誤解だ。「バーバリーズ・オブ・ロンドン」は同じ英国ハウスの歴史的・ヴィンテージ時代の名称であり、「バーバリー」は1999年に正式に採用された現行の統一ブランド名だ。ヴィンテージの「バーバリーズ」アイテムはラベルとコレクター的価値において独自の地位を持っており、別の現代的な企業というわけではない。
つまり「Burberrys」は1999年以前に製造された正規品の証であり、むしろヴィンテージ愛好家にとっては希少性を高める要素にもなりうる。購入を迷っている場合、ロゴの新旧だけで真贋を判断するのは早計だ。縫製、素材感、刺繍の精度といった総合的な品質確認が必要になる。
まとめ - 「バーバリー」と「バーバリーロンドン」を正しく理解する
バーバリーとバーバリーロンドンの違いは、一言で言えば「ブランド全体」と「そのなかの一ライン」という関係にあった。しかしそれに加え、日本市場では三陽商会によるライセンス品がバーバリーロンドンと同じ名前で流通していたため、二重構造が生まれていた。タグの色(ベージュ=英国製、ネイビー=三陽商会製)を確認するだけで、正体の大半は把握できる。
2016年以降は全ラインが統合され、現在「バーバリー」という名前がつくアイテムはすべて英国本社が手がける一本化されたラグジュアリーブランドの製品だ。古着やフリマで過去のアイテムを探す場合は、タグの色・ロゴの表記・縫製品質の三点を軸に判断することで、後悔のない買い物ができるだろう。バーバリーという名前が持つ重みと背景を知れば、手元のアイテムへの愛着はいっそう深まるはずだ。